漢方・中医学

更年期を穏やかに過ごすポイント

40 歳を過ぎたあたりから女性は、更年期を迎えますが、からだの変化として体内のエストロゲンの分泌量が急減に減少することでホルモンバランスが崩れ、それによる更年期障害に悩まされる方が増えてきます。

最近では、30 歳代前半でも同様の症状が出ることがあるようですが、女性にとっては、つらい症状ではないでしょうか。

前回のブログでは、不調の体質をチェックして頂きましたが、更年期にも以下のようなタイプがあります。

-1. 腎の不調(陽気不足)—————————————-

□ 腰痛がある
□ 疲労・倦怠感がある
□ 腰や手足が冷える
□ 頻尿だ
□ 水太り
□ 舌の色が淡く苔が白い

ここにチェックが付いた人は、「陽気不足」のタイプです。

-2. 腎の不調(潤い不足)—————————————-

□ めまい・耳鳴りがする
□ 急にほてる
□ 寝汗をよくかく
□ 顔面の紅潮
□ 皮膚が乾燥してかゆい
□ 舌の色が赤く、苔が少ない

ここにチェックが付いた人は、「潤い不足」タイプです。

-3. 心の不調—————————————————-

□ 息切れがする
□ 動悸がする
□ 不安感がある
□ 集中できない
□ 不眠が続く
□ 舌の色が淡い

ここにチェックが付いた人は、「心の不調」タイプです。

-4. 肝の不調—————————————————

□ 憂うつ感が続く
□ 怒りっぽくなった
□ 胸や脇腹が張る
□ 片頭痛、関節痛がある
□ 耳鳴りがする
□ 冷えのぼせがある

ここにチェックが付いた人は、「肝の不調」タイプです。

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先ず、腎の不調(1.と 2.)には、腎の養生が大事です。老化と関係の深い腎を養生することで、老化のスピードを緩やかにします。

陽気不足の人は、冷えタイプで、潤い不足の人は、体内の水分が足らないタイプですが、両タイプとも、腎の精が不足していることが原因です。
両方のタイプを併せ持つ、冷えのぼせの症状が出る人もいます。

これらの腎の不調タイプの人は、食養生として、

・山芋、おくら

また足の裏の「湧泉(ゆうせん)」のツボも腎の養生として効果があります。

心の不調の方は、寝る前の過ごし方にポイントがあります。

寝る前には、ゆっくり湯船につかり、からだを温め、寝つきを良くし、睡眠の質も高めます。またストレッチや散歩など軽い運動がストレス軽減に役立ちます。

また血を補う食べ物は、心を安定させます。具体的には、黒豆やクコの実、人参、ほうれん草などが効果的です。

症状が辛い場合には、我慢せず、周囲に話をし、ストレスや不安感を軽減させるよう行動して下さい。ゆったりした気持ちで過ごすことが大切です。

肝の不調タイプの人は、腎の機能低下で肝の機能が低下し、結果的に血が不足することで様々な不調が生じます。

ストレスが溜まると、肝の機能が低下するので、常にリラックスが大事です。

例えば、仕事や家事をしない自分だけの時間を作ります。アロマや香りの良いお茶(菊花茶やジャスミン茶など)を飲みながら、ゆったりした時間を過ごしましょう。

漢方薬でも、腎を補うことで生命力を漲らせ、老化のスピードを遅らせる事を目的とした補腎(ほじん)のお薬もあります。

中田全快薬局では、参馬補腎丸や婦宝当帰膠、杞菊地黄丸など、その更年期のタイプに応じたお薬のアドバイスを行います。

更年期でお悩みの方は、是非ご来店の上、ご相談下さい。

体質タイプによる症状と舌診

段々と秋めいてきましたが、季節の変わり目の環境変化で体調を崩されたり、風邪をひいたりしていませんか?

さて漢方/中医学では、一般に、弁証論治という、ひとりひとりの全身の状態についての情報を総合的に収集、統合、分析して、個々の「証」を診断して、お薬を処方するというスタイルを取ります。

つまりオーダーメイドの医療スタイルです。

体質のタイプには、概ね下記のような種類があり、それぞれ症状が違ってきます。

1. 元気不足タイプ(気虚、ききょ):元気がなく、疲れやすい
2. いらいらタイプ(気滞、きたい):いらいら、怒りっぽい
3. 貧血タイプ(血虚、けっきょ):血が不足して顔色が悪い
4. 血の滞りタイプ(瘀血、おけつ):血液ドロドロで高血圧、痛み
5. 体液不足タイプ(陰虚、いんきょ):からだが熱っぽく、皮膚カサカサ
6. 冷えタイプ(陽虚、ようきょ):冷え性で、頻尿、むくみ
7. 水分過剰タイプ(痰湿、たんしつ):頭、体が重だるい
8. 熱過剰タイプ(実熱、じつねつ);体が熱い、興奮しやすい

このような体質タイプを判別するために、薬局では、薬剤師が、ヒアリングによって、ご相談される方の体質を知った上で治療法を選択します。

実は、このヒアリングでは、問診によるものの他、を診させて頂くことがあります。

正常の舌は、全体的に淡紅色で、薄く白っぽい感じがするものですが、白い色が強いと「陽虚」の状態であったり、紫色が強くなると「瘀血」の状態であることが疑われます。

実は、舌の状態は、その時の体の状態を最もよく表すインジケーターとして、問診よりも正確だと言われています。舌は、健康のバロメータ、つまりベロメータなんですね。

このようなタイプを舌の状態や症状などで把握することは、不調時に、どのような食養生をすればよいか、生活習慣の改善をすればよいか、またお薬の効果を見ることも出来るかもしれません。

不調な状態、未病の状態ばかりでなく、正常な状態のときにも、是非ご来店頂いて、季節ごとや不定期に訪れる不調のお話などをお聞かせ下さい。

複数回ご来店頂くことで、お客さまの症状や状態に合わせた正確なご提案を行うことも可能です。

是非ご来店の上、ご相談下さい。

秋に注意すべきは”乾燥”です!

今年の夏は、長雨続きで日照不足気味でしたが、暑い日も多く、寒暖の差が激しい季節だったように思えます。

しかし、9 月に入ると、急に秋めいてきたのに、夏の疲れがどっと出たりすることもあります。

秋は、夏の高湿度の状態から気温の低下とともに、湿度が急激に下がり、喉の渇きや、空咳、喀痰(かくたん、痰が切れにくい)などの症状が出やすくなりますが、これは肺が弱くなってしまうことが原因かもしれません。

このような症状が出たら、おすすめな食材は、

長いも、自然薯、大和芋などの芋類
蓮根、キュウリ、大根などの根野菜類
しめじ、エリンギ、舞茸などのきのこ類
梨、みかん、びわなどの果物類
サンマ、イワシ、エビなどの魚介類
ゆり根、銀杏、くるみ

また使われる生薬としては、麦門冬(ばくもんとう)、貝母(ばいも)、沙参(しゃじん)などがあります。

乾燥と言えば、女性の方は特に、乾燥肌が要注意です。

乾燥肌になりがちな方のおすすめ食材としては、

トマト、ニンジン、かぼちゃ、ピーマンなどの緑黄色野菜
桃、ぶどう、キウイ、メロンなどの果物類
サンマ、太刀魚、イシモチなどの魚介類
・牛乳、豆乳、白きくらげ、ゆり根、胡麻、サージなど

生薬では、当帰(とうき)、阿膠(あきょう)、地黄(じおう)が使われます。

乾燥は、血の不足(血虚、けっきょ)が重なると、髪の毛のトラブルを引き起こすこともあります。

抜け毛などの髪のトラブルを防ぐ食材としては、

・黒豆、ほうれん草、黒米、長いも、トマト、わかめ、牡蠣、ヒジキ、海藻、サバ、サンマ、キウイ、サージなど

また生薬では、女貞子(じょていし)、旱蓮草(かんれんそう)、地黄(じおう)が使われます。

このような秋の季節の「乾燥」から来る症状には、今の内から十分に気を付けましょう。

乾燥に対抗するために、酸味と甘味をあわせて摂れば、陰が増えるという意味の「酸甘化陰(さんかんかいん)」という言葉が中医学にあります。

粘膜や皮膚に水分、潤いを与えるためにも、季節の旬の甘酸っぱい果物を積極的に摂って頂くことをおすすめします!

夏のお疲れはありませんか?

お盆が終わり、いよいよ秋に向けて運動やスポーツの季節が近づいてきました!

今年の盛岡地方は、暑い日と涼しい日が入れ替わり、夏の疲れが出てきやすい気候です。

暑い夏の日には、寝つきが悪かったり不眠症状が出やすく、発汗で体液が不足しますし、涼しい日には、冷えや喉の痛みがあったりします。

冷たいものを摂り過ぎると胃腸機能も低下しがちで、食中毒や胃腸型の風邪をひくこともあります。

このような激しい気候の変化は、免疫力の低下を招き、思わぬ病気につながることもあります。

そんな折、秋に向かって元気を取り戻すためにお薦めなのが、麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)です!

麦味参顆粒は、一般に、虚弱体質や疲れやすい方、病中病後に効果がありますが、夏で弱った胃腸機能を元気にしたり、スポーツや体力の消耗と多量の汗の後など、カラダの渇きにも効果があります。

麦味参顆粒に含まれる生薬は、「五味子(ごみし)」、「人参(にんじん)」、「麦門冬(ばくもんとう)」が主に配合されています。

それぞれ人参は、元気を補い、麦門冬は、カラダに張りと潤いを与え、五味子は、体の消耗を抑えるとともに、他の二つの生薬の働きを高める作用もしています。

虚弱体質ではない方でも、夏の疲れを感じる方、スポーツの疲れを取りたい方にも、お薦めの漢方薬です。

一般に食前、食間に服用して頂くものですが、胃腸の弱い方なら、食後に、白湯やスポーツドリンクで割ってお飲みになるのも効果的です。

ゴルフやランニング、テニスに野球にサッカー、夏の疲れをひきずらず、秋には、高いパフォーマンスを維持したい方にも是非お試し下さい。

血の不足、血虚(けっきょ)について

暑い日が続くと思うと、大雨になったり、今年は、天気の急変が激しいですね。

このような時には、体調を崩しがちです。熱中症、夏バテ、睡眠障害、食中毒、脳卒中、夏風邪など、夏の代表的な病気には充分にお気を付け下さい。

さて今日は、女性の血にまつわるお話をしたいと思います。

中医学や漢方では、もともと女性の健康は、「血(けつ)」と深い関係があるとされています。もちろん女性は、月経、妊娠、出産、更年期などにより、血が不足しがちです。

血の量が不足する血虚(けっきょ)になると、血色が悪くなったり、爪の色も薄く割れやすくなります。また皮膚や頭皮のつやがなくなり、かかとのひび割れがおこったりします。

また血の不足によって、血流が悪くなり、血行不良(瘀血、おけつ)を引き起こすことでさらに不調の要素を増やすことになります。実際、日本の女性の六割程度は、瘀血と血虚だと言われているほどです。

《血虚(けっきょ)チェック》
以下の当てはまる項目にチェックを入れてみて下さい。

□ 冷え性、手足やお腹が冷える
□ 顔色が悪い
□ 乾燥肌で、小じわが気になる
□ 眠りが浅い
□ 髪につやがなく、枝毛、抜け毛になりやすい
□ 貧血になりやすく、めまいがおこりやすい
□ 生理の量が少なくなり、生理の周期が長くなりやすい
□ 便意はあるが、出にくい
□ 爪が薄くて割れやすい
□ 疲れやすい、立ちくらみがある
□ 血圧が低い
□ 気分が落ち込みやすい

これらの項目に多く当てはまるなら、あなたは、血虚の可能性が大きいと言えます。

このような女性特有の症状を改善するために、中医学や漢方では、当帰(とうき)という生薬を用いてきました。

当帰は、女性の健康な体作りに欠かせない生薬として昔から知られているせり科の植物です。強い芳香があり、紫色を帯びた茎の上に、小さな白い花を咲かせますが、薬用として使用されるのは、地中に30センチほど伸びた根の部分です。

当帰は、血を補い身体を温め、血の巡りをよくすると言われ、中国では昔から「女性の宝」として重宝されてきました。

血虚の方は、レバーや牛の赤味などを積極的に摂り、十分な睡眠も必要です。(血は寝ている間につくられるのです)

血虚かもしれないと思われた方は、是非中田全快薬局までご相談下さい。

あなたの体調、体質、不調の内容に応じて、その女性特有のつらい症状を改善するアドバイスを致します。

梅雨は、そら豆ポタージュで♪

東北地方も梅雨入りし、じめじめした気候で、からだも気分も、じっとり重い感じになりますよね。

実はこの季節、カラダの五臓の内で、湿気に弱いのが「脾(ひ)」なんです。脾とは、胃腸の機能を担う臓腑ですが、湿気による余分な水を体内に溜め込まないようにすることが大事です。

特にむくみやすい人は、食べ物で胃腸をケアしながら、体内除湿として利尿と発汗を促すことを心がけてください!

もちろん、冷たいものの摂り過ぎは要注意です!

梅雨におすすめの食材として、

〇 湿気を取り除く食材:
豆類(枝豆、グリーンピース、そら豆、大豆、さやいんげん、緑豆など)、とうもろこし、かぼちゃ、大麦、ハト麦、昆布

〇 利尿を促す食材:
あさり、しじみ、セリ、セロリ、とうもろこしのひげ、白菜、もやし、レタス、きゅうり、冬瓜、すいか、小豆、緑茶

〇 発汗を促す食材:
しそ、しょうが、ねぎ

そこで胃腸が弱く、むくみやすい人におすすめは、そら豆のポタージュスープです!

スープでうまく水分を取り込み、それを滞らせず出すというのがポイントです。

かぼちゃは、余分な水分を出す働きの他、胃腸を元気にしてくれるので、梅雨には是非お勧めしたいレシピです!

【材料(四人分)】
・冷凍そら豆 … 400g (薄皮付き)
・玉ねぎ(中玉) … 1 個
・サラダ油 … 小さじ 1
・酒 … 大さじ 1
・野菜ブイヨン … 4 カップ
・塩・こしょう … 適宜

【作り方】
① 冷凍そら豆は、熱湯でさっと茹でて薄皮を取る。玉ねぎはみじん切り。

② フライパンに油を熱し、玉ねぎを加え、油がなじんだら塩少々と酒を加えて、ふたをし、約3~4分蒸し炒めにします。

③ 鍋にそら豆と ② を入れて、野菜ブイヨンを半分加え、ハンドミキサー等でなめらかにします。残り半分のブイヨンを加え、中火にかけて塩・コショウで味を調え、器に盛って、お好みでそら豆を飾ります。

是非お試しを、むくみが取れますよ!

腎精(じんせい)は足りていますか?

6 月に入り、陽気も高まって元気が出てくる季節ですが、実は疲れが抜けない、なんとなく不調続きだという人は、一度中田全快薬局にご相談下さい。

それは腎精(じんせい)が足りていないことかもしれません。

は、漢方中医学で、腎臓のことではなく、生殖器官やホルモン、代謝、免疫、自律神経など幅広い機能を司っており、この働きが衰えることを腎虚(じんきょ)と言って、生命力や精力の減退、不妊、生理不順、免疫力低下、更年期症状、シミ、しわ、たるみなど、いわゆる老化現象が現れてきます。

このような状態には、腎の働きを補う必要がありますが、漢方中医学では、動物性の補腎薬が使われます。

亀甲膠(きっこうきょう)、鼈甲膠(べっこうきょう)、鹿角膠(ろっかくきょう)といった動物性生薬で腎精を補います。

亀甲膠と鼈甲膠は、補腎として、亀角膠は、滋養強壮として使われます。

この三つの生薬が配合された星火亀鹿仙(せいかきろくせん)は、以下のような場合におすすめです。

・不妊、生理不順、無月経
・性欲低下、滋養強壮
・かゆみ、乾燥肌、肌のつやがない
・髪の毛が薄い
・足腰の虚弱、関節痛
・頻尿、尿漏れ
・健忘、記憶力減衰
・のぼせ、寝汗
・激しい運動後の回復

これら腎精が弱くなっている方は、是非お試し下さい。

血管力をつけて健康長寿に!

血液は、酸素、水分、栄養分を、からだのすみずみまで届ける重要な働きを持っていますが、実は、不調を抱えている人の多くが、血液と血管に問題を持っていると言われています。

血液と血管の能力を総称して、血管力と呼びますが、老化、食事、生活習慣の乱れなどによって、この能力が低下していきます。

ここで漢方・中医学の考え方に、瘀血(おけつ)という言葉がありますが、いわゆる血液がドロドロで、血管にも傷がついているような状態を指します。

この瘀血になっている人の多くが、様々な不調を来すことになり、生活習慣病、糖尿病、心不全、脳梗塞、認知症、老化などに大きく関係していると言われています。

血管力には、瘀血ばかりでなく、血虚(けっきょ、血液が足りていない状態)もあり、特に日本の女性は、この両方によって不調になる人が多いようです。

血管力を高めるためには、活血(かっけつ;血行を促す)と養血(ようけつ:血液を補う)が大事になってきます。

食養生や運動によって改善されますし、必要に応じて、漢方薬が役に立ちます。

最近、肌がくすんだり黒ずんだりしている、運動不足や不規則な生活、ストレスを多く抱えているなど、いわゆる瘀血の状態が気になる方は、是非中田全快薬局までご相談下さい。

その人それぞれの体調や体質によって、食養生(薬膳)や漢方薬を含め、適切なアドバイスをさせて頂きます。

お疲れではないですか!?

日々の生活の中で、感じる「疲れ」。若い頃は、感じたこともなかったのに、と思われる中高年の方も少なくないと思います。

疲れがとり難くなっている、腰がだるい、胃腸が弱くなり下痢しやすい、気力がわかない、食欲がないなど、体質や年齢の変化、環境によってその症状はさまざまですが、中医学では、「疲れ」に大きな影響を与えるのは、いわゆる五臓(肝、心、脾、肺、腎)の一つである「」だと考えられています。

ヒトは腎とともに成長し、腎とともに衰えると言われていますが、男性の場合には、8 年毎の周期で体質が変化し、腎に関しても、以下のような変化があります。

8 歳:毛髪が完全に成長し、歯が生え変わる(腎気が充実し始める)
16 歳:精液が出来、子供を作れるようになる(腎気が旺盛になる)
24 歳:肉体が成熟し、親知らずが生える
32 歳:筋肉と骨が完成し、もっとも充実した身体になる
40 歳:髪や歯が抜け始める(腎気が衰え始める)
48 歳:肌の張り艶がなくなり、白髪が目立ち始める
56 歳:精液も少なくなり老衰が始まる
64 歳:歯も髪も抜け落ちる

このように、40 歳を過ぎると、腎の機能が弱くなり、疲れやすいと感じることが多くなりますが、最近では、30歳台から、このような腎の老化現象(若腎虚;わかじんきょ)が始まる人も増えてきています。

原因は、ストレスや人間関係の悩み、過剰な肉体疲労などにあると考えられます。

一方、これからの長い人生、生命を維持するエネルギー源である「」が蓄えられているのが腎であり、このに関しては、親から受け継いだ先天の精と、食事や環境で得られる後天の精がありますが、後天の精に関しては、食事やお薬で補うことも可能です。

後天の精を養う食材としては、山芋ぎんなんがあります。

一般に体内の水分調整をつかさどるのは腎の働きですが、30 歳台から腎の老化現象(若腎虚)が見られる方は、山芋やぎんなんが効果的で水分調整作用強壮作用があります。

さらに漢方薬では、麦味参顆粒参馬補腎丸がお勧めです。

もしなかなか疲れが取れない、虚弱体質の方、病中の養生や病後の回復に不安をお持ちの方は、是非、中田全快薬局にご相談下さい。

おひとりおひとりの症状や体質、環境などに合わせて「疲れ」への対応方法をご提案致します。

太りやすい体質の方の養生法とは?

長かった冬で、運動不足によってプチ肥満になっていませんか?春になると、皆さん「夏までにダイエットしなきゃ!」と決心する人が多いです!

でもヒトには、それぞれ太りやすいタイプの違いがあります。

漢方/中医学では、太りやすいタイプを三つに分けています。

1. 実証タイプ

もともと体力があるタイプで、基礎代謝もそれなりにある方ですが、自分の身体で燃やせる以上にエネルギーとなるカロリーを摂ってしまっている方です。

食べ過ぎていると自覚のある方と自覚のない方がいます。

食べ過ぎている自覚のある方は、

繊維質の摂り方を工夫して、油ものを控えましょう。味付けも薄味を心がけ、香辛料やお酢を上手く使います。
食事のとり方やバランスに気をつけましょう。繊維質の多い野菜類を、できるだけ多くの種類を加熱して食べるようにして下さい。便秘は大敵です。

食べ過ぎている自覚のない方は、

油が多く含まれているものや、パン、麺類には要注意です。
できるだけ野菜を多くとることが大切です。

食べ過ぎを自覚し、繊維質を多くとりましょう。運動量も増やしましょう!

2. 虚証タイプ

もともと基礎代謝が低く、少し食べ過ぎると摂取したカロリーを燃やしきれないタイプです。

年配の方や、胃腸の弱い方、呼吸器の弱い方に多く、むくみを伴うこともあります。

冷たい飲み物や、食べ物は控えましょう。また体を冷やしすぎないように心がけ、運動をこまめに行いましょう。ヨーグルトなどの消化に時間のかかる食品を毎日とるのも考えモノです。睡眠時間も充分にとりましょう!

3. 水毒タイプ

水分代謝の弱い方です。実証・虚証タイプと重複している方もいます。
冷え性や慢性的な運動不足が原因です。腎臓系が弱い方もいます。
また最近では水分のとり方が自分にあっていない方もよく見かけます。

このタイプは、水分のとり方に要注意です。コップやペットボトルから、一度に流し込むような飲み方は避けましょう。
水分の温度も注意して、体温に近いものか暖かいものをとるようにしましょう。
生水はよくありません。
できるだけ下半身を動かしてあげることも大切です。お茶や紅茶は利尿作用があるのでお勧めです。朝一番と寝る前に温かい飲み物をとることも体質改善に役立ちます。

どのタイプの人も、適度な運動は必要です。ランニングよりも、先ずは 30 分程度のウォーキングで脂肪を燃やして基礎代謝を上げましょう!