新型コロナワクチンの現状とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新型コロナウイルス感染症への最大の抑制手段である「ワクチン」は、厚生労働省の薬事承認を経て、6/15 現在、約 2600 万回の接種が完了しているとのことです。

この段階で、世界各国でのワクチン接種状況と比較すると、日本は、相当に遅れていて、人口 100 人あたり、21 回となっています。(※ ほとんどのワクチンは 2 回接種する必要があります)

主な諸外国の接種状況(6/15 時点)は、それぞれ人口 100 人あたりで、アラブ首長国連邦 141 回、イスラエル 123 回、チリ 108 回、英国 106 回、米国 93 回、シンガポール 80 回、カナダ 79 回、ドイツ 73 回、スペイン 72 回、イタリア 72回、ギリシャ 68 回、フランス 66 回、韓国 31 回、オーストラリア 23 回などです。

それでも日本の接種ペースは急激に早まっていて、政府も11月までに希望者全員に接種が可能となるよう目標を立てて、100 万回/日で接種体制を整え、64 歳以下にも接種が始まります。

 

現在日本で接種出来るのは、ファイザー社製(mRNA)とモデルナ社製(mRNA)の二種類だけですが、先日台湾に無償提供されたアストラゼネカ製(ウイルスベクター)も既に厚生労働省の薬事承認がなされています。

この他、近々薬事承認される予定なのは、ノババックス社製(組み換えタンパク)のもので、日本では武田薬品工業が国内で生産出来る体制を整えています。

国産で先行しているのは、アンジェス社(DNAワクチン)で、現在臨床第2/3相(P2/3)試験を行っていますが、他の国産ワクチンも同様、実用化までには多くのハードルがあり、先が見通せていない状況のようです。

懸念された変異株への効果については、現在承認されているワクチンでは、効果が認められているとのことで、新たな変異株については、不明であるものの、楽観的な研究者が多いと聞きます。

ワクチンの懸念材料は、もちろん副反応、特にアナフィラキシーや血栓について報告されていますが、発生確率的には、非常に少なく、例え発生しても対応できる医療体制を整えているので、総合的な安全性は高いと考えられます。

ワクチンによる集団免疫を獲得するのに、諸外国の例では、国民の 40 % 程度の接種完了から急激に陽性者が減少するようなので、ここが目標としての目安になりそうです。現状日本では、まだ2回接種が完了している割合は 10 % 以下程度なので、順調に行っても数か月先になると考えられています。

ワクチン接種に対しては、中高年よりも、若年層で、打ちたくないと考えているヒトが多いようですが、このようなヒトに対して、差別的な言動がないようにしたいものです。

経済を回しながら、感染を抑える方法を選択している日本では、人流抑制による施策で飲食店や観光業などに多大な影響を与えている現状、技術的には、頻繁な検査とワクチンの両輪で感染拡大を抑制するしかなく、ワクチンの接種動向には特に注視したいと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。