パルスオキシメーターは、動脈血酸素飽和度(SpO2)測定器と呼ばれ、手の指先の毛細血管上の酸素濃度を検出して、健康状態を診るものですが、今回のコロナに対応して、家電量販店などでは既に売り切れ状態で、購入し辛いものとなっています。
この装置で分かることを少し解説します。
新型コロナウイルス感染症は、ご存じの方も多いと思いますが、ある意味「血管」の病気と言われています。
つまり新型コロナウイルスに感染すると、血管に傷 が付き、それが多くなると 血栓 になり、人によって現れ方は違いますが、どこかの 臓器が塞栓状態 で血が行かなくなり、臓器不全をおこし、最悪死に至ることが知られています。肺の場合は肺塞栓、肝臓なら肝不全、脳なら脳梗塞、心臓なら心不全…
子供が罹りにくかったり、重症化しないのは、血管細胞の修復能力が優れているからという見方もあります。
肥満だったりコレステロール値が高めの人、高血圧の人、糖尿病 の人は、既に 血管に多くの傷 があり、新型コロナに罹ると重症化し易いのは、そのせいだと言われています。
そこでこのパルスオキシメーターですが、理論的には、新型コロナウイルス感染症の場合に限らずですが、臓器不全の状態になると、人間の身体は、毛細血管に流す酸素を、不健康な臓器に優先的に送ろうとするので、手指の酸素飽和度が極端に下がる という理論を使って、その状態を診るというものです。
健康な状態では、95 % 以上の値が出ますが、新型コロナで臓器がやられると、この数字が下がってしまい、コロナでなければ、95 % を下回っただけで呼吸困難な状態になりますが、コロナの場合には、80 % を下回っても、スマホがいじれる位、症状が現れないと言われています。ただこのような一見無症状の状態から突然倒れ、重症化の症状が出ることがあり、こんな場合には、この装置を使って、少しでも異常があれば、即救急車を呼んで助かる命があります。
ちなみにこの装置では、灌流指標 PI値(Perfusion Index)が出るものものありますが、この値は、毛細血管の流れの状態が分かるので、値が極端に低ければ、肩こりや腰痛、高血圧の原因が、血の流れが悪いドロドロ血液かもと想像できます。ただ、この指標は、まだ環境によって正確性に欠けることもあり、値だけで何かの判断は出来ないので、毎日同じ環境で計った値をグラフ化して体調などとの比較をするのに使えるかもしれません。